*1. いずれも板厚16mmで算出した。
*2. アークタイム率は20-40%で算出した。
表1.1.1に検討した結果を示すが、上向MAG溶接法では、橋梁で溶接施工例があるものの現状の船内側からの半自動溶接法より溶接能率が低い点に問題がある。
また上向多層盛溶接については、溶接能率は現状よりも良好なものの、図1.1.4に示すように溶融池を保持する水冷銅板が開先形状の変化に対応できず、ギャップ変動の大きい船底外板溶接には向かないと考えられる。
それらに対して上向水平2電極溶接では、溶接能率で他の溶接法より非常に優位であり、また溶接施工の自動化についても、開先ギャップ幅を最小化する溶接トーチ、溶接トーチと摺動式水冷銅板が一体型になった溶接装置等の開発により、実現の可能性は大きいと考えられる。
そこでまず予備実験として、母材の上側から溶接トーチを水平状に配置して溶接実験を行った。溶接電極は1電極、2ラン溶接として行った。実験の模式図と溶接条件を図1.1.6に示す。