1. 船底外板溶接自動溶接方法の開発
上向姿勢〜立向姿勢に変化する溶接部を船体の外側から片面溶接できる溶接方法の選択と溶接条件及び溶接条件適応制御の開発を以下のように行った。
1.1 溶接姿勢に対する最適溶接方法の選択
溶着金属が溶落する現象を回避する溶接方法を数種検討し最適方法を選択した。また溶接トーチの形状決定を行った。
a. ガスメタルアーク溶接法による溶接方法の選定
本溶接施工における溶接対象目的は、水平上向〜ビルジ外板の一部立向までの姿勢の厚板の突合せ溶接である(図1.1.1参照)。
本溶接方法を選定する上で過去に上向溶接法、立向溶接法について研究、開発された文献、特許調査等を行った。その中でサブマージアーク溶接法やエレクトロスラグ溶接法などの例もあったが、装置開発、自動化の点で実現性が低いと判断し、ガスメタルアーク(CO2)溶接法について検討を行い、以下の3種類の溶接法を検討した。
・上向MAG自動溶接法(多層盛)
・上向水平多層盛自動溶接法
・上向水平2電極自動溶接法
各溶接法の模式図を図1.1.2〜図1.1.5に示す。
これらの溶接法について現状の船内側からのCO2半自動溶接法と溶接能率、自動化度等について比較検討した。