3.2.4 エクストラネットの課題
(1) エクストラネットの技術的課題
エクストラネットにおける課題について、技術的な側面と運用・組織的側面からポイントをいくつか挙げる。
エクストラネットの技術的課題には、主に次の3つがあげられる。
まずひとつが、信頼性である。エクストラネットが時間帯によって繋がらない、電子メールが遅れて届くといった状態では、企業のバックボーン・インフラとして成り立たない。インターネットのネットワークとしての信頼性向上が技術的に解決すべき第1の問題だといえる。
次にセキュリティである。特にエクストラネットでは企業間の機密データを取り扱うため、通信内容が外部に漏れたり、改ざんされるといったことを防ぐセキュリティ技術の強化がこれまで以上に要求される。
今後は、エクストラネットでの情報のやりとりが改ざんなく、正確に行われているかということを監査する管理技術が求められている。
上記3つの課題は、これまでもインターネットを語るとき常に指摘され続けてきたことである。今現在も、インターネットに関わる多くの企業が研究を重ね、日進月歩の速さで解決に向かっているといえる。
(2) エクストラネットの運用上の課題
エクストラネットでは、ひとつの企業内にとどまらない性格ゆえに生じる課題がある。それは、運用上の課題である。
一言でいうと、企業の枠を超えて、ビジネス戦略や業務効率化を考えることができるか、ということである。極論すれば、これが出来ないと、エクストラネットを構築したところで、成果を上げることはできない。
自社内だけでなく、接続する相手先企業を含めた意識改革(目的の明確化、コ・ソーシング)と組織変革が求められる。