3.3 技術動向
本項では、造舶Webに関わるいくつかの情報技術の最新動向について記述する。
まず、造舶Webのデータ入出力に適用するXMLについて、EDIを絡めて記述する。
そして、造舶Webが目指すものといえる、ポータルシステムについて記述する。
3.3.1 XMLを使ったEC/EDI
造舶Webでは、システム間のインターフェースとして、XMLを適用する。ここでは、そのXMLによるEC/EDI連携に関しての動向について記述する。
XML(Extensible Markup Language)とは、日経パソコン新語辞典によると「レイアウト情報などを持ったマークアップ言語のひとつであり、インターネットで利用する。SGMLというマークアップ言語の機能を一部継承しながら、SGMLの機能の中で時代遅れなものや実装が困難なもの、インターネット上では意味を持たないものなどが除かれて開発された。インターネットで利用されているHTMLはベンダーがあらかじめ決めたタグしか使えないが、XMLではユーザーが独自のタグを作って機能を拡張できる。またXMLはHTMLと異なり、Webブラウザーで情報を表示、閲覧するほかに、データベースから直接情報を引き出すこともできる。」と説明されている。
米国のEDI標準としてANSI ASC X12があり、自動車業界、電子工業会、化学品業界、金属業界などで広く利用されている。(この他に国際標準EDIとしてはEC/EDIFACT国内ではCIIがある。)
米国の電子商取引における電子データ交換標準の開発や利用を支援する非営利の団体であるDISA(the Data Interchange Standards Association)は、1998/2のX12のサブ委員会でXMLがEDIのインターネット電子商取引の重要な手段になるかもしれないという議決を行い、コマースネット、XML/EDIグループと共同でANSI ASC X12規格のデータエレメント、セグメント及びトランザクションをいかにXMLに変換できるかの検討プロジェクトを開始した。XMLを使えば、複雑なアプリケーション固有のトランスレータソフトを使わずに、既存の商用XMLツールが使えることがメリットになる。
データ仕様にXMLを使うことにより、クライアントで読み込んだ受発注データのデータベース化や、業務システムでの再利用などが可能になる。
XMLは企業間EC(エレクトロニック・コマース)におけるデータ仕様として本命視されている。
産業情報化推進センターから、CII標準ベースXML/EDIのドラフトが公開されている。
米国では、ANSI X.12の会議で、XMLを使ったEDIの実装計画が計画され、欧州でもEDIにXMLを使う動きがあり、Electronic Commerce Workshop of the Information Society Standardization System within the European Committee for Standardization(CEN/ISSS)で、EDIにXMLを活用するための検討/推進プロジェクトが承認されたという報告もある。