日本財団 図書館


業界内の関連企業が共通のエクストラネットを構築し、利用していくというものである。

業界エクストラネットでは、参加するメンバー企業に対してアクセス権限が与えられるが、それぞれの企業の業務内容によって、アクセスできる情報の範囲が異なるのが一般的なようである。

 

036-1.gif

図3-12 業界エクストラネット

 

業界エクストラネットがさらに進歩したとき、業界エクストラネット上が仮想市場となり、企業がより条件のいい新たな企業を探して、取引を開始するといったことも可能になるかもしれない。

 

[事例3]自動車業界のエクストラネット

米国では現在、特に製造業を中心に業界エクストラネットの構築を試みる複数のプロジェクトが立ち上がっている。そのひとつが米国の自動車業界のエクストラネット「ANX」である。ANXはクライスラー、フォード、GMのビッグスリーと、その部品供給業者、OEM取引先など1000社以上が参加し、ひとつのエクストラネット「ANX」を通じて、あらゆる情報を交換しようというプロジェクトである。

やりとりされる情報は、資材や部品に調達に関わる商取引情報(受発注情報)をはじめ、CAD.CAMの設計データや仕様図面、マニュアルなど。さらに、ANX上でワークフロー管理や仕様変更などの連絡も行われるそうである。すなわち、CALS型の業界エクストラネットといえる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION