3.2.2 エクストラネットの先進事例
[事例1]自動車メーカー、Ford Motors Co.
大手自動車メーカーのフォード社は、世界1万5千ヶ所以上のディーラーを結ぶ、世界規模のエクストラネット構築を進めている。このエクストラネットでは、フォードのサーバーからインターネット経由で、ディーラーのパソコン上に、自動車のカタログや価格表、販促資料、在庫情報などを自動配信する、いわゆる「プッシュ型」の情報提供を計画している。さらに、車種ごとの修理・メンテナンス履歴なども一括管理し、顧客サービスに役立てていくようである。
この機能が完成すれば、例えば、出掛けた先で車が故障して、最寄りのサービスステーションで修理を受けることになっても、修理履歴を参照して、より適切な処置が期待できるようになるそうである。
フォードのエクストラネットは、ディーラー支援を目的としたものである。
各ディーラー毎に顧客サービスの質や販売力にばらつきが生じがちな点に着目し、これを、エクストラネットによってサポートしていこうとしている。つまり、どのディーラーやショールームに出掛けても、接客員が訪れた顧客に対し、タイムリーかつ新鮮な情報提供を行ったり、適切な対応ができるようにしようというものである。これにより、フォード車全体のブランド・イメージの向上という効果を狙っているのである。