(6) 企業間ECはエクストラネットで実現
トランザクションは、言葉をかえると、インターネットにおける企業間EC(電子商取引)ということができる。つまり、インターネットを使って企業間で物やサービスを取引することである。ECというと、これまで一般消費者を対象とするEC(BtoC)が主にクローズアップされてきた。しかし、最近、企業を相手にする企業間EC(BtoB)のほうが実は本命で、今後は取引額も桁外れに急成長を遂げるといわれている。フォレスター・リサーチによれば、インターネットにおける企業間ECの市場規模は、97年で80億ドル、5年後の2002年には3+270億ドルに達するといわれている。もちろん、この中には、特定企業とではなく、インターネットのオープンな環境下で不特定多数の企業と取引するケース(例えば、オークション、入札など)も含まれる。しかし、実際のところ、全く取引を行ったことのない企業同志がネット上でいきなり取引を始めるのは難しく、大部分は、既に信用関係を築いている企業同志がエクストラネットを通じてECを行っていく形態が主流となると考えられる。従って将来、企業間EC市場がこれだけの急成長を遂げるとすれば、エクストラネットは今後、企業活動において非常に重要なインフラとなると言える。
ところで、企業間EC市場を内訳で見ると、現在最もECによる取引額が多いのは製造業で、資材や部品の調達に活用する企業など先進事例が報告されている。次いて卸、小売などの流通業。流通業は今後、最も成長し、2002年には企業間EC市場の約5割を占めるようになるといわれている。