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次年度初頭にはその2.9を手直ししたバージョン3.0(バージョン3のプロトタイプ)を使用し、再び実証実験を行ってその機能を評価した上、本プロジェクトとしての最終版であるバージョン3を開発する予定である。以下に、その「システムのあるべき姿」と開発方針について述べる。

 

表2-2 造船Webシステム開発/実証実験スケジュール

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(1) 造舶Webシステムのあるべき姿

造舶Webのイメージは、造船所・舶用メーカ間にクモの巣(Web)のように張り巡らされ、設計・技術情報交換をしっかりと支えるネットワークというものであるが、同時にそれは

1]オープンかつ拡張性に富んだネットワーク

2]安価で容易に参加できるネットワークであらねばならない

 

(2) 開発方針

上記を実現するため、COTS(Commercial Off The Shelf ; 商用既製品)を極力活用し、自己開発は必要最小限にとどめることとした。また近年社会インフラとして急速に普及しつつあり、またその機能の更なる向上(ex : HTML[見るだけ]→XML[データが取れる])も現在期待されているインターネットを最大限活用することとする。ただし、専用線を使う場合と違い、インターネットのようなオープンネットワークの利用に伴って生じる、またそれ以前の問題として電子情報の特質それ自体から来るネットワークセキュリティの問題、例えば、認証性・完全性・唯一性・等価性・保存性・証拠性の保証等の問題がある。それゆえこれらについては、現在各方面で開発されている電子すかし・電子印鑑・ディジタル署名などの技術に加え、公証機能などの原本性保証の機能を調査し、もっとも適当なものを選択・採用し導入する方針であり、これらについては次年度も引き続きその検討作業を進める。なお一般に、セキュリティの強さとシステムの使いやすさは相反するものなので、造舶Webの使用目的にあったセキュリティとは何かを、それぞれのデータ交換項目ごとに関係者で議論し決めて行かねばならない。

 

 

 

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