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先にも述べたように、DFFの処理時間は利用ACIM FLメソッドの処理時間に依存する面が大きい。それで、DFFとしてサービスを追加実装する場合は、PMを利用した通常のアプリケーション実装時と同様の配慮を行うことは有効で、例えば、以下のような注意点が挙げられる。

・PMのオープン・クローズ、トランザクションのコミットといった処理は、負荷が比較的大きいので、これらの制御はDFFのオペレーションごとにDFF内で行うのではなく、DFFでは関与しないものとして、DFF利用者側で自由に制御可能にする方がより柔軟な構成であると言える。こうして、DFF利用者側で個々の目的に応じたチューニング(どのタイミングでトランザクションを切るかなどの選択)が可能となる

・DFF利用者側とのPM内インスタンス情報のやりとりは、名前ではなく極力ポインタ( IDLにおけるオブジェクトリファレンス)で行うべきである

 

S2.4 エージェント技術の適用 

S2.4.5 エージェント技術の一般的な特徴

(1) エージェント技術の背景

遠隔通信技術や分散システム技術の急速な進展により、電子商取引、分散知的情報サービス、VE(Virtual Enterprise仮想企業)に代表される、分散エンジニアリング環境などの応用技術が実現性を帯びてきた。これらの進展により、論理的、あるいは地理的に分散した節点同士を結合・通信させる方法が提供され、広範な種類の通信ネットワークへのアクセスが可能となった。通信速度の向上や、ネットワーク間でのプログラムコードの可搬性向上により、ネットワーク上に分散する節点間での、実時間性のある対話的な双方向通信が実現されつつある。

これらの実現に寄与すべく、ソフトウェアエンジニアリング分野では要素技術の研究が行われており、特にエージェント技術は、盛んに取り組まれているものの一つである。オブジェクト指向技術及び分散システム、分散人工知能などの分野から発展したエージェント技術は、システム間の相互運用、知的な作業支援、快適な通信機能を提供する新しい情報技術である。エージェントは、ソフトウェアエージェントや知的エージェントとも呼ばれ、ユーザーに割り振られたタスクを自律的に行う。エージェントは意思決定をするのに十分な知識と自律性を持ち、特定のエージェント通信言語を用いて、他のエージェントと対話することが出来る。

現在、以下に示すような情報産業、あるいは製造業における諸要求実現のための方法として、エージェントを適用することが幅広く試みられている。

 

 

 

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