(2) システム導入の手引き
高度造船CIM の造船所ユーザーへの導入手順を、図7.4-5に示す。横軸には担当する部門を上流から下流に並べ、縦軸は大きな時系列を示し、高度造船CIM の準備フェーズ、実船に適用した運用フェーズ、それと平行して随時発生する保守フェーズに区分して図示してある。図の左から右へと業務が流れ、上から下へと時間が経過することを示している。
横軸の各部門での高度造船CIM導入の狙いを2段目に示している。図中の枠は作業を表しており、作業は次の4つに分類され、図の記号に対応する。
[a] 高度造船CIMをそのまま利用する作業
[b] 市販品を購入して使用する作業
[c] 既存資産を改善する作業
[d] システム利用の日々作業
(a) 準備フェーズ
準備フェーズの縦の矢印は準備作業の概略手順を表す。このフェーズでは、既存システムとの接続作業があり、従来から使われているいわゆるレガシーシステムは、ORBを中心として接続することで資産が有効活用される。間接部門を支援するシステムでは、市販の最新のERPや、PDMシステムに取り替えることも考えられるが、ORB環境に準拠するソフトウェアが多く市販されているので、他システムとの接続は容易である。