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(c) 運用シナリオF(図7.4-3)

運用シナリオEの応用の一つが、日程計画システムへの適用拡張である。中間製品から工程を定義し、カレンダーに貼り付けたものが、日程計画、ガントチャートになる。こうして厳密に定義された組立手順は、そのまま日程の作業手順に反映される。

現在、造船所はそれぞれ使いこなした日程計画システム群を持っているが、組立手順や作業手順は計画者が手で入力しており、工程設計で変更があった場合には、その都度、人間が補正している。この運用状態から脱皮するこのシナリオでは、製品設計・工程設計・日程計画に関する情報を全て一元化できる。

 

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図7.4-3 運用シナリオF

 

(d) 運用シナリオG(図7.4-4)

工程設計情報のもう一つの応用は、作業指示情報への活用である。特定の作業者にとって必要な中間製品とその属性を、事前に工程設計で明確に定義する。その属性には、取り付ける部品の種類、組立姿勢、部品数や溶接長などの管理物量、製品を施工する場所(定盤)、施工後搬送する次の場所、使用する設備、その製品を組み立てるのに必要な部品群、配材の手順、取付手順、溶接手順等がある。

上記の情報に加え、更に日程計画システムを使えば、誰が、何時までにを、時間単位、分単位で定義することによって、従来の曖昧な工程管理から抜け出すことが期待できる。

 

 

 

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