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(b) 運用シナリオE(図7.4-2)

実用版として開発した工程設計アプリケーションは、組立手順に必要な知識をシステム内に記述している。このシナリオの狙いは、船殻部品の組立手順情報を既存CADに戻し、詳細設計情報と工程設計情報を統合し、整合性を保持することによって、設計ミスを回避することにある。組立途中の各段階ごとに、使う装置や施工場所が定義されるので、これらの情報を既存CADの中で、マーキン情報や開先情報、溶接伸ばし情報に変換して応用することも期待できる。

船殻部品に対する工程設計と同様に、艤装品の工程設計もシナリオとして想定することが出来る。船殻部品の工程設計情報を基に、船殻部品の組立のどの段階で艤装品を取り付けるかが、同一の中間製品で定義できる。サブ組立工程で取り付ける艤装品と、搭載前に取り付ける艤装品とを識別できれば、日程計画にリンクさせて、艤装品の納期を自動定義させるといった応用も期待される。艤装品単独で、工程設計、取付手順を定義することも出来る。系統単位、船殻からの高さを規準にした層ごとのまとまり、区画単位とグループごとに取付手順を定義したり、一品ごとの手順まで定義することも出来る。

 

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図7.4-2 運用シナリオE

 

 

 

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