7.2 基盤情報技術によって可能となること
ここでは既に述べたことが繰り返し述べられているところもあるが、これはこの章から読み始める向きもあり得るとして、敢えてそのようにしたものである。
まず、高度造船CIMの基盤となる新しい情報技術の内容を説明し、これらを適用して実現可能となる、特徴的な事項について述べる。
高度造船CIMは、最新の情報技術を導入し、その情報技術の適用メリットを最大限に発揮させるべく設計されたシステムアーキテクチャに基づいて開発した、新しい世代のシステムであり、従来のCIMでは実現困難であった、造船業の高度な協業作業を効率的に支援し、造船業務の変革を可能とすることを目指したものであることは既に述べた。
高度造船CIMのシステム基盤となっているのは次の4つの新しい情報技術であり、各章との対応を示す。

(1) 分散オブジェクト技術に基づく開放的なシステム環境
高度造船CIMの提供する環境は、EWSやPCなど稼動機種に依存しないことはもちろん、ネットワーク上に分散した種々の市販システムや、造船所で稼動している既存アプリケーションと自由な情報交換を実現し、情報・知識の共有とその高度な利用を可能とするもので、その主な特徴は次の通りである。
(a) 稼動機種に非依存
ホスト・EWS・PCなどの稼動機種や、OSに依存することなく、ネットワークを介して柔軟な情報交換が可能であり、既存資産の活用と、システム構築時の高いフレキシビリティを提供する。
(b) 市販システムとの連携
市販のデータベースシステムや、PDMシステム等との連携が容易であり、最新の市販システムが持つ、高度な機能を容易に利用することが出来る。
(c) 効率的なアプリケーション開発
今後ソフトウェアベンダーから提供される、多くのソフトウェアコンポーネント群を組み合わせることによって、必要とするアプリケーションを効率的に開発することが可能となる。