初期段階から製品は3次元モデル化されており、生産技術者は分割したブロックの幾何形状を容易に画面上で確認でき、施工がし易いか、品質が確保し易いかなどの、定性的評価を高度に支援できる。
足場計画では、ウォークスルー機能を使って、バーチャルな足場仮設・解体の検証が行え、クレーンによるブロックの吊り上げでは、既定の吊りピース位置を基にした検証はもちろん、吊りピース位置提案が可能となる。
(b) D2−設計・工作から独立した工法検討チームの設置
ブロック分割に代表される初期の工法検討は、設計や工作に大きく影響する。担当者(部隊)はスーパージェネラリストとして、全体を総括・評価し確定する必要がある。彼らは、知的集団として設計部・工作部とは独立した部署に所属する。
(5) E−詳細工法検討
(a) E1−中間製品の生成の自動化と単純化
組立などの作業の手順がおおむね標準化され、システムは、高度な操作性、便利機能を持つようになる。施工方針が決まった後の中間製品生成は、単純業務として容易に効率的に遂行でき、もはやエキスパートの業務ではなくなる。
工作部門における作業改善活動は従来通り存在するけれども、その改善要望や、見直しの結果としての施工標準は適時改正される。施工標準を表現した知識ベースは、システム担当者に依頼しないでも、生産技術者の手で容易にカスタマイズできる。
(b) E2−品質工程表の自動生成
溶接設備や、施工手順等を考慮して、中間製品ごとに溶接収縮量は推定される。従来の実績値を考慮して計算した溶接収縮量や許容値を設定でき、それを反映した品質工程表が自動設計できる。もちろん、溶接収縮量は生産設計最後の部品形状にも、自動的に反映される。
また、レーザー溶接機等、新しいハードウェアが導入されても、データベースの標準値や、計算式を更新するだけで良く、生産設計者が使用する機器をレーザー溶接機と設定するだけで、部品形状は自動生成される。
(6) F−中日程計画
(a) F1−管理物量算出の精度の向上
管理物量は、その時点で設計定義された部品を積み上げて算出される。設計工程の中で、承認図レベルとか登録済み等の表現で、複数の中間点が完了までの間で設定される。この中間点を使って、設計工程の進捗度を認識でき、その進捗レベルによって管理物量の推定要領を変化させ、半自動的に、最終時の管理物量を推定できる。