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また、ある情報が確定した場合、エージェントは関連する設計者に、自動的に情報が確定したことを知らせ、時宜にかなった設計の進行を支援できる。

(b) 実現レベルの評価

設計者間の作業依存性をエージェントが自動定義する、汎用的なメカニズムの実装までには至らなかったが、設計者が作業間の依存関係を一度設定しさえすれば、関連する設計変更は漏れなく伝達されるメカニズムを実現した。また、関連作業者の作業ステータスが変わった場合も、プロセスモデルに依存関係が記述してある場合は自動的に、また、設計者が明示的に依存関係を定義した場合も、ステータス変化をエージェントが通知可能であり、この基本的メカニズムの有効性を示した。今後の課題として、設計者が利用するアプリケーションから、エージェントへのイベント通知機能、及びPMの状態変化イベントをエージェントに通知するメカニズムを実現することが残っており、この課題を解決すれば、より適切に設計の進行を支援できるようになる。

(3) 分散環境の支援

(a) システム的な特徴

エージェントは、設計者が今から何をしようとしているかを、過去の操作履歴を参照して推測し、設計者が必要とする支援、例えば、これから実行するアプリケーションを、あらかじめネットワーク上から検索するなどの支援を行うことが出来る。

(b) 実現レベルの評価

ネットワーク上の存在場所が予め分かっているサービス群を、エージェントが設計者に提示する機能は実現できたものの、動的にネットワーク上を検索するレベルには至らなかった。また、設計者の過去の操作履歴から、次に利用されるであろうサービスを、あらかじめ自動検索する機能も今後の課題である。これは、具体的なアプリケーション数が少なかったので、設計者の操作イベントを獲得する汎用的メカニズムの実装が困難であったことによるもので、環境が整えば実現自体はさほど困難ではない。

(4) 知識の蓄積化

(a) システム的な特徴

エージェントは知識を持つことが出来、知識を徐々に蓄積して、より賢く適切な支援が可能となっていく。

(b) 実現レベルの評価

造船業だけへの適用に限らない、汎用的な知的エージェントの基本システムを実現し、このレベルの機能でも緊密な連係を要求される設計協業支援には有効であることは確認された。実現したエージェントは、知識ベースと推論エンジンを実装しており、知識を変更すれば、エージェントの動きが変化することも確認でき、エージェントに知識を蓄積して行くことで、より高度な支援が出来る可能性も確認できた。

 

 

 

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