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このように、協業支援という視点から、新しいプロセスモデルを提案し、基本機能を整備し、その有効性が確認されたが、より質の高い協業支援を実現するためには、更なる研究開発が必要であることが分かった。

(2) 細かいメッシュの進捗管理

(a) システム的な特徴

プロセスモデルを介して、作業者間で作業進捗情報を共有するので、作業待ちなどの無駄を排除でき、プロジェクト管理者はこれまでより詳細なメッシュでの設計進捗管理が可能となる。

(b) 実現レベルの評価

市販ワークフロー管理システムより詳細な粒度を持つプロセスモデルを実現し、それに基づく協業支援システムの基本的枠組みを開発した。プロジェクトマネジャーは、各設計担当者の詳細な作業項目の進捗情報を随時入手可能であることが確認され、詳細進捗管理の実現可能性が検証された。

(3) 業務手順の共有化と標準化

(a) システム的な特徴

プロセスモデル構築のため、現状業務フローの分析と記述を行い、業務プロセスを明確に記述することによって、業務手順の共有化と標準化が図られる。更に、その作業プロセスの改良を進めて、より良い業務プロセスの構築が可能となる。

(b) 実現レベルの評価

プロセスモデルによる設計協業支援、プロジェクト管理、業務プロセス改良について、その基本的な概念を提示した。このうち、設計協業支援に関しては、システム的枠組みを開発したが、業務手順の共有化と、標準化及び業務プロセスの改良という、企業レベルの活動を支援するシステム機能の整備は今後の課題となっている。

(4) ノウハウの蓄積と保存

(a) システム的な特徴

熟練者の作業手順に関するノウハウをモデルに蓄積し、企業資産として保存してノウハウの共有が可能となり、未熟練者の作業の質と作業効率の向上を図ることが出来る。

(b) 実現レベルの評価

ワークエレメントという概念を導入して、プロセスモデルに詳細作業手順を蓄積するための基本モデルは実現した。このモデルとエージェントの設計者間の通信支援という基本機能だけでも、協業支援に寄与できることが分かった。しかし、知的エージェントへの知識の蓄積も含め、作業手順の背景にあるノウハウと知識の表現と活用が出来れば、より質の高い協業支援が可能となることは明らかであり、今後の研究開発が必要な分野である。

 

 

 

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