また、既存システムとの連携方法として、疎結合と密結合を選択可能で、PMと既存造船CADシステム間を、バッチ的に情報交換する疎結合タイプについては、高度造船CIMで策定された、交換標準に準拠するアダプターの共通部が提供される。これに造船所CADシステムに固有の部分を付加して、容易にデータ交換を行うことが可能となる。
また、密結合タイプは、既存システムのある機能単位ごとに、インタフェースソフトウェア(CORBAに準拠したラッパー)を付加することで、ソフトウェアコンポーネント化し、他のアプリケーションとの緊密な連携が可能となる。一旦コンポーネント化したソフトウェアは、新規アプリケーション開発時、既存ソフトウェアコンポーネントの再利用が可能となり、既存ソフトウェア資産を将来にわたって利用する道が提供される。
(b) 実現レベルの評価
本開発研究では、既存CADシステムとの疎結合タイプであるアダプターについて、その実用度も含めて検証され、造船所CADシステムと高度造船CIMとの連携が可能となった。一方、既存システムのソフトウェアコンポーネントを、CORBA対応化する密結合タイプは、開発研究の対象外であったので、具体的な実験は実施しなかったが、アダプターの検証部(各社CAD固有部)の開発において、たとい既存CADシステムが、CORBAのIDL実装言語マッピングがそのままでは出来ないFORTRAN言語で書かれていても、簡単なC++言語のラッパーを付加すれば、CORBA対応化可能であることが確認されており、実装上の問題は無いことが確認された。ただ、密結合タイプの場合でも、疎結合タイプと同様、ACM FLと既存CADシステムの製品モデル差を吸収する、意味的変換機能を付加する必要があり、既存システムのソフトウェアコンポーネントを、CORBAサービス化する際の粒度の問題とともに、今後の検討課題として残っている。