従って、CORBA対応化した市販PDMと連携して、機能を活用することは十分可能であると確認された。
(3) 効率的なアプリケーション開発
(a) システム的な特徴
今後ソフトウェアベンダーから提供される、多くのソフトウェアコンポーネント群を組み合わせることによって、必要とするアプリケーションを効率的に開発することが可能となる。
(b) 実現レベルの評価
ACIM共通サービス機能(ACF)の実装で述べたように、スケジューリング機能は、市販プロジェクト管理ソフトウェアにラッパーを付加して、CORBA対応サービスとして実装した。また、初期生産設計アプリケーションでは、管理物量の表示と操作機能としてMicrosoft Excelの機能が利用可能であることを確認した。これらを通して、アプリケーションの開発効率が高まることが確認された。
(4) 継続的拡張
(a) システム的な特徴
ソフトウェアコンポーネントは、最新の分散オブジェクト指向に基づいて開発されるので、ユーザーがこれらを順次整備して行くことによって、段階的、かつ継続的にCIMの高度化を図ることが可能となる。
(b) 実現レベルの評価
実装したCORBA対応のソフトウェアコンポーネントのAPIはIDLとして明示され、IDL仕様が変わらない限り、そのサービスを利用しているアプリケーションへのインパクトは無く、独立性が保たれており、ソフトウェアコンポーネントの機能拡張は自由で、継続的拡張が可能である。
また、DFFの実装で述べたように、ソフトウェアコンポーネントはネットワーク上のどこに存在しても良く、そのソースプログラムを修正しても、利用側では再リンクが不要で、開発効率は大いに向上することが示された。
(5) 造船所既存システムとの連携
(a) システム的な特徴
市販システムだけではなく、造船所で既に稼動している造船用CAD、ホスト機上の管理システムなど、種々の既存システムとも容易に連携することが可能で、高度造船CIMにスムーズに移行できる。連携方法は造船所のニーズに従って選択可能で、多くのパターンが考えられる。