5. プロダクトモデルの機能評価
本開発研究では、GPME FLの機能を拡張し、実用レベルのACIM PMを実現すると同時に、分散オブジェクト環境に基づいて協業作業を支援する高度造船CIMの実現を目標としている。それで、ACIM PM が機能的に実用レベルに達していることを検証する方法として、拡張されたPMを使った検証用アプリケーションを開発し、その実行結果を通してPMの機能を評価することとした。
5.1 評価方法の概要
既に述べたように、GPME FLの拡張方向は、PMの機能の高度化を図る「深さ方向の拡張」と、PMで表現可能な範囲を広げる「幅方向の拡張」とに分けられ、検証用アプリケーションも、深さ方向及び幅方向のそれぞれに対する拡張結果を、評価し検証できるものである必要がある。検証用アプリケーションの種類と、その検証内容を表5.1-1に示す。
(1) 工作用アプリケーションシステム
初期生産設計アプリケーション及び工程設計アプリケーションは、高度化されたACIM PM の機能を適切に評価し検証するため、実用レベルの機能を備えるものでる。これらアプリケーションの運用イメージを図5.1-1に示す。このシナリオでは、基本計画から詳細設計に至る設計工程と平行して、2つのアプリケーションシステムが実行される。
(2) アダプター
既存造船用CADシステムと、拡張されたPM間の双方向データ交換を行うアダプターは、前者が表現している実船の構造情報と艤装品・機器等の情報を、幅広く交換できる機能を備えたものとし、この機能を利用して実船データを実際に交換することによって拡張されたPMの表現範囲の広さを検証するものである。
