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イメージ的には、現状の図面単位の作業を数分割した程度の大きさを持つ作業のくくりである。各アクティビティは、実施担当者、作業の開始終了日時などの属性情報を持つ。

(d) ワークエレメント

アクティビティとして要求される成果物を出力するため、実行される一連の単位作業群を表現する。具体的イメージとしては、ある図面作業の標準設計手順書に記載されているレベルの作業項目群である。作業項目の実行順序の決定、作業項目の分割・統合・追加等は設計者に委ねられ、ベテラン設計者と未熟練者との差が出る部分でもある。

(e) 前後関係

アクティビティ間の先行・後続関係を表現する。ただ、一般の事務手続のようにこの前後関係は絶対的なものではなく、後続アクティビティに含まれるワークエレメントは、先行アクティビティのワークエレメントと並行して行っても良い。実際、現実の設計作業は基本的に前後関係のある設計作業もコンカレントに実行される。

(f) 依存関係

ワークエレメント間の作業依存性(情報依存性とも言える)を表現する概念で、例えば、あるワークエレメントを実行するために他の設計者の情報を必要とする場合は、作業間の依存関係が存在すると言える。それで、設計変更が発生した場合は、この依存関係を持つワークエレメントの担当者に漏れなく通知する必要がある。

このように、プロセスモデルとは、現実の設計協業作業の概念をコンピューターで取り扱えるよう抽象化して表現した情報モデルである。

(2) エージェント

エージェントは、複数の設計者が、設計チームを組んで業務を進めるに当たり、プロセスモデルの情報を活用し、協業作業を円滑に行うための潤滑油的メカニズムとして作用するソフトウェアである。エージェント技術は、設計者間の通信の仲介という単純なものから、文字通り、人間の様々な行動を賢くサポートする高度な機能まで、実現できる可能性を秘めている。各作業者のコンピューターには、必ずエージェントが存在し、その支援を受けながら、人間とエージェントが協調して作業を行うことになる。

(3) 実現した事項

本開発研究では、このプロセスモデルとエージェントの連携に基づく新しい設計協業支援のシステム的枠組みを検討し、以下を実現した。

(a) 協業支援システムの基盤構築

市販ワークフロー管理システムでは困難な、設計協業作業を支援するための新しいシステム像を示し、その基盤部分を構築した。実現した機能は、比較的基本的なものではあるが、協業作業を支援するメカニズムとして非常に有望であり、ある程度実設計作業を支援可能であることが分かった。

 

 

 

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