プロセスモデルのイメージを、図4.2-3に示す。図中の4個の大円はアクティビティを、その内部の小円はワークエレメントを示す。プロジェクトの開始前には、アクティビティと、その内部の標準的なワークエレメント、及びアクティビティ同士の依存関係が記述されている。また、日程や目標工数といった要求事項はアクティビティ単位に設定される。
プロジェクトが始まると、設計者同士の協業によってワークエレメント同士の依存関係(図では点線で示す)や、例外的なワークエレメントが新規に発生し、プロセスの変化に対応してプロセスモデルの情報は動的に変化する。ただし、マクロ的にはアクティビティで記述された、マネジメントレベルのプロセスに沿ってプロジェクトは進行する。
4.2.5 システム的なメカニズムの視点からのプロセスモデルの検討
プロセスモデルを用いて造船の高度な協業作業をシステム的に支援することが、最終的な目的であることを踏まえて行った、プロセスモデルの実装方法や、協業支援システムのメカニズムの視点から見た、プロセスモデルの検討内容を述べる。
(1) プロセスモデルの実装方法
プロセスモデルを協業支援システムに実装して設計者の支援を行うためには、進行中のプロセス(主にエンジニアリングレベル)を常時監視し、プロセスの変更に追従して、プロセスモデルの情報(ワークエレメント同士の依存関係や実行ステータス等)を更新するメカニズムが必要である。