4.2.2 モデル化の対象とするプロセスのレベル
企業活動のあらゆる階層に見合った粒度で、プロセスのモデル化は可能である。これら全ての階層のプロセスを、一つの情報モデルでカバーできることが望ましいが、開発するシステムにとって有効な情報モデルとするためには、情報モデルの適用を意図するレベルに焦点を合わせる必要がある。情報モデルの一般性と内容の豊富さ(強さ)をうまくバランスさせることは、モデル化において特に重要である。
構成する作業の粒度に応じて、モデル化の対象となるプロセスを以下の4階層に分けた。
1]ビジネスレベルのプロセス
製品の受注・製造・引き渡し等、プロジェクトの大きなイベントに対応する(経営者の管理する)作業単位で構成される
2]マネジメントレベルのプロセス
マネジャーが進捗管理する作業単位で構成される
3]エンジニアリングレベルのプロセス
割り当てられた作業を、担当者が細分化して作成した作業計画の単位で構成される
4]プロシージャレベルのプロセス
個々の設計者の詳細作業手順に対応する作業単位で構成される
図4.2-2にプロセスの階層イメージを示す。