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それに対し、通風ダクトは、系統で確定されるのは相当断面積のみであり、その相当断面積を満足する範囲内であれば、通風ダクト配置の際、全体配置の関連によって、通風ダクト断面形状は変わり得る。従って、通風ダクトは、管のような「既定の断面形状×長さ」という扱いになりにくいため、管艤装に比べて、カタログの構成が複雑になっている

通風ダクトは、管艤装と同じく、取付単位より下位の単位の要素ごとに定義操作を行った後、それらを集約して取付単位の部品を定義するという性質の分野であり、通風ダクトの部品については、製品定義で操作する単位の要素(例えば、ダクト胴体・吹出口・ダンパー・整流板・ドレンプラグなど)を、それぞれオブジェクトとして表現することとした。

(b) 拡張の概要

次のクラスを設けた。

・設計概念として、ダクト系統仕様・ダクト系統クラス

・部品として、ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品クラス

・カタログとして、ダクト断面・ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品・ダクト用継手カタログクラス

ダクト部品クラスは、定義としては、その前後でダクト本体が不連続になるような通風艤装品を表現するものであるが、具体的には、吹出口やベントポストなどの、系統端部部品を想定している。ダクト付着品クラスは、その前後でダクト本体は連続のままであるような通風艤装品(例えば、整流板やドレンプラグなど)を表現するものである。

ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品クラスは、それぞれダクト系統クラス及びカタログクラスと、関連を持っている。

ダクト断面カタログクラスは断面形状を、ダクト本体カタログクラスは、ダクト入口断面と出口断面の間の本体形状パターン(例えば、同心とか下面揃えなど)を保持するものである。このように両者を分けることによって、通風ダクト配置の過程での断面形状変更に、柔軟に対応できるようにした。ダクト本体クラスの形状生成メソッドは、自インスタンスの定義点情報と、関連先のダクト本体カタログインスタンスが保持している、形状パターンとダクト断面カタログに基づき、パラメトリックに形状を生成して、その形状を自インスタンスの形状属性にセットする構造となっている。

ダクト部品とダクト付着品カタログクラスは、カタログ形状を固定値として属性に保持する。

各種のダクト用継手カタログクラスは、通風ダクトの部品クラスからではなく、「艤装直接関係」の部品付き接続関係クラスから参照されるものである。

 

 

 

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