日本財団 図書館


・系統の途中を構成するもの(例えば、管艤装における弁、電気艤装におけるジャンクションボックス)や、系統の始点・終点であっても自系統のみが接続するようなもの(例えば、管艤装におけるサクションマウス、通風ダクトにおける吹出口)は、それぞれの艤装分野の部品と見なす

というように2つに分けて考え、前者を艤装FLにおける機器とした。

また、前に挙げた6分野を大きく整理すると:

・機器は、単品の形状が先に決まっていてそれを全体配置に合うよう配置するもの

・機器以外は、全体配置の影響を受けて単品の形状が決まるもの

となる。従って、いわゆる「機器」ではなくても、形状が先に決まっているものを、ただ配置するような艤装品(例えば、係留金物やマストなど)も、艤装FLでは機器として扱うこととした。

この「形状が先に決まっているものを、ただ配置する」という性質からも分かるように、機器は、取付単位より下位の単位の要素ごとに定義操作を行った後、それらを集約して取付単位の部品を定義するというものではない。例えば、軸・インペラー・ケーシングを別々に定義し終えてから、遠心ポンプ1台単位にそれらを集約するという性質のものではなく、先に遠心ポンプ1台という単位が決まるものである。それで、機器は取付単位の部品(例えば、ポンプ1台、ボラード1個)を1オブジェクトとして表現することとした。

(b) 拡張の概要

次のクラスを設けた。

・部品として、機器クラス

・カタログとして、機器カタログクラス

機器クラスは、「個体性能」属性を持っている。これは、例えば、試験成績など、同一品でも個々に異なる情報を、それぞれの機器インスタンスに表現するためのものである。また、機器カタログクラスとの関連及び管艤装・電気艤装・通風ダクトの系統クラスとの関連を持っている。

機器カタログクラスは、カタログ形状を固定値として属性に保持する。また、複数の「接続口」属性を持っており、この属性と「艤装直接関係」の接続点クラスによって、一つの機器に接続している複数の管・通風ダクト・電線の接続口を、それぞれ個別に表現する。これはGPME管艤装FLの配管部品の考え方を踏襲したものである。

(2) 管艤装

(a) 考え方

基本的には、フレームモデル設計書及びGPME管艤装FLと同一である。すなわち、設計概念として、系統仕様・系統・配置空間を持ち、この系統仕様や系統の概念を継承して、部品を表現する構造となっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION