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比較検討の対象とする設計情報の範囲としては、船1隻、ブロック、作業区画、部材等様々のものが考えられるが、PMを用いて設計を行う場合、この比較対象とする範囲の情報を保持し、これをベースに複数案に対応するモデルを作成して、構造や工法などの検討を行い、最適と判断したものを正式版として残すような運用が望まれる。そして、これをシステム的に支援できれば、後戻り作業なども最小限にすることになって、設計作業の効率向上が期待される。

デザインオプションの対象は大きく「大」、「中」、「小」の3つのレベルに分類される。

「大」レベルのデザインオプションの対象は船1隻単位で、このレベルのデザインオプションはシステム運用イメージにおける、個船PMを複数生成することにより可能となる。

「中」レベルのデザインオプションの対象は、部材のグループ・ブロック・作業区画単位である。ある時点の個船PMに格納されている情報をチェックアウトし、その情報を基に複数の案を作成し、比較・検討を行った後にPMにチェックインする。インスタンス情報のチェックイン・チェックアウト機能は、GPMEに既存のPM管理機能の一部であるWorkUnit(作業単位)を用いて実現する。ただ、チェックイン後のマージは人間が判断するもので、アプリケーション依存であるため、本バージョン管理機能の範囲外となる。

「小」レベルのデザインオプションの対象は部材であるが、このレベルでの変更には、特別なバージョン管理機能は不要であり、GPMEのロールバックの活用や、アプリケーションレベルでのアンドゥ・リドゥ機能によって実現できる。

(3) コンカレントな作業の支援

通常の設計作業では、複数の作業者が同一のPMにアクセスして作業を行う。この場合、それぞれの作業者が更新した情報について、作業者間で不整合を生じないようにする仕組みが必要である。ただ、コンカレントな作業に伴う整合性維持においては、どのレベルの整合性を対象にするかによって、提供機能も異なってくる。

(a) DBMSレベルの整合性維持機能

一般にDBMSが備えているトランザクション管理機能である。具体的には、トランザクションの開始・コミット・アボートといった機能で、複数のアプリケーションからのアクセスに対して、トランザクション単位でのデータの整合性を維持する。このレベルの整合性維持機能は当然GPMEによって提供されている。複数のアプリケーションからのアクセスを想定した場合、最低限必要な機能であるが、当然このレベルの機能では、アクセスしているアプリケーションが何か、アクセスしている情報は何かといった、内容に依存するような整合性は維持できない。

 

 

 

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