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(b) モデル(オントロジ)レベルの整合性維持機能

モデルの内容に応じた整合性維持機能であり:

・静的なオブジェクトモデルに表現する

・PMアクセス関数・メソッドを限定する

・チェック関数・メソッドを実装する

の3つの実現方法がある。それぞれに一長一短があり、どれか一つだけで事足りるというものではない。高度造船CIMにおいては、拡張したFLにこれらをうまく適用することで、ある程度の整合性が維持でき、かつモデルとして硬くなり過ぎないものとしている。

 

2.5.3 プロダクトモデル管理機能

(1) PDMに関する検討

PMはデータだけでなく処理も含むなど、一般的にデータと言われているものとは異なるが、管理という観点から見ると、PM管理は製品データ管理と言い換えることも出来る。製品データ管理は、PDM(Product Data Management)とも呼ばれ、それを目的とした製品も多数市販されている。

PDMは、本来製品に関する全ての情報、例えば、図面や文書、構成情報、更にはモデル情報などを対象に、アクセス管理や、バージョン管理を行うシステムと位置付けられる。このような機能が、市販製品を導入することでカバーできれば、開発効率が大幅に向上するうえ、システム自体の完成度にも大きく寄与すると考えられる。そこで、PDM製品自体の機能の調査だけでなく、海外の先進ユーザーにおける適用状況や、PDMに対する取り組みについても調査を行った。

(a) 現状のPDM製品の機能調査

上記のように、PDMは非常に広範な機能を含むものであるが、代表的な2種類のPDM製品を調査しところ、現時点で、PDM製品として市販されている製品は、その概念のごく一部を実現しているに過ぎないことが分かった。これらの製品が提供しているのは、具体的には以下の機能である。

・データの保管・管理:

製品データの構造をメタデータとしてあらかじめ定義し、各製品データをVaultと呼ばれるデータベースに保管・管理する

・製品構成管理:

製品を構成する部品構成及びその改訂など、BOM(Bill Of Material)の管理を行う

・製品データ間の関連の管理:

製品データ間の参照・派生・親子関係などを管理する

・ワークフロー及びプロセスの管理:

製品データの作業中、レビュー・承認・リリースなどのステータスに基づき、データの生成プロセスの管理を行う

 

 

 

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