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具体的には、マイクロソフト製のMS-Projectに、Visual Basic及びOrbix for Windowsを利用してラッパーを作成し、CORBA対応化したものである。MS-Projectが持ついくつかの機能は、OrbixによってCORBAのIDLとして公開されており、ACIM環境からは、そのIDLで記述されたサービス群を、自由に利用できるようになっている。

(b) エージェント支援

エージェントは、プロセスモデルと連携して、動的に変化する環境下での協業支援を実現するメカニズムとして、重要な役割を果たすものである。設計者間の通信や、プロセスサーバーとの情報交換など、エージェントが司る協業支援サービスが、Java言語で開発され、ACFのサービスとして実装された。詳細は後述する。

(c) PM管理支援

拡張された実用レベルのACIM PMを、実際に造船所で運用していくうえで、PM管理機能は不可欠なものであり、実用向けのサービス群が整備された。詳細は後述する。

 

2.3.10 市販の各種サービス機能群

現在、市販のPDM・ERP・RDB等のアプリケーションで、CORBA対応化が進められている。例えば、PDM製品ベンダーは、異なったPDM製品間のつながりをCORBAで実現するために必要なPDM機能について、そのIDLインタフェース仕様の共通化を図りつつあり、既に製品化したベンダーもある。また、RDB(リレーショナルデータベース)分野でも、CORBA対応化を図った製品が、市場に投入され始めている。

一方、Windowsの世界では、DCOMに準拠したソフトウェアコンポーネント群が多数整備されつつあり、これらのソフトウェア部品は、市販CORBA製品が提供するCORBA/COM連携を介して、分散オブジェクトとして利用できる。現時点でも、また将来的にも、DCOM対応ライブラリの方が、CORBA対応ソフトウェアよりも数的には多数を占めると考えられるが、ACIM環境から利用することは可能であり、CORBA対応アプリケーションや、DCOM対応ソフトウェア部品は、今後着実に整備されて行くのは確実で、これらを有効活用することによって、必要なアプリケーションを効率的に開発できる環境になっていくことは明らかである。

 

以上のように、ACIMリファレンスアーキテクチャの各カテゴリーに含まれるサービス及びファシリティ群の実装作業を、各カテゴリーごとに定めた実現方針に従って実施し、目標としたサービス及びファシリティ群は、全て高度造船CIMの分散オブジェクト環境で利用可能な機能として実現した。

 

 

 

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