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(2) 分散環境における知識共有実現のためのシステム面での機能要件

ネットワークを介して、知識と情報を自在に交換し、アプリケーション間の柔軟なつながりを実現するための、システム環境に対する主な機能要件として、次のものが挙げられ、いずれも、多種多様なシステム環境、一層複雑化しつつあるソフトウェア群、そしてシステム運用時のコスト削減が要請されている状況下においては、知識共有環境を実現するうえで極めて重要な要件である。

1]稼動機種非依存:

メインフレームや、EWS、PCなど稼動機種の差異を気にすることなく情報を交換できること

2]透過性:

必要なサービスがネットワーク上のどこにあり、どのように実行されるかを意識せずに利用できること

3]資源の再利用:

既存のデータ・情報・アプリケーションをネットワーク資源として活用できること

4]開発言語非依存: 

アプリケーションを開発言語の制限を受けず、最適なプログラム言語を利用して開発し、これらがネットワーク上の他のアプリケーションと容易に連携できること

5]構成が変更容易:

ネットワークへの新しい資源の追加や移動など、ネットワーク構成の変更が容易に出来ること

(3) 分散オブジェクト技術の適用

上記の機能要件を、汎用性をもって実現するのが、オブジェクト技術と、ネットワーク環境における分散処理技術を統合した分散オブジェクト技術で、次の2つがある。

1]CORBA(Common Object Request Broker:Architecture and Specification):

OMG(Object Management Group:約600社が参加している世界最大のソフトウェア業界団体)により策定された、分散オブジェクト技術に関する標準

2]DCOM(Distributed Common Object Model):

Windows環境の分散オブジェクト技術として、マイクロソフトが独自に開発した分散オブジェクト技術

本開発研究では、高度造船CIMはオープンなシステム環境であるべきであるという基本思想で取り組んでおり、稼動プラットフォームに依存しない、開放的な分散環境を実現する業界標準であるという観点から、プラットフォームを限定していないCORBAに準拠することとした。

 

 

 

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