NSRに関わる生態系については、本来、顕示選好法(revealed preference)あるいは表明選好法(stated preference)、いずれかの方法によって価値評価が行われるべきであるが、INSROPでは、この点が等閑視されている。価値評価は、生物環境に損害を与えた場合の損害賠償の論拠となり得るものであり、またNSR航行に対する保険に対してもインパクトのある問題であることから、今後、ロシア政府による価値評価が行われ、提示される必要がある。
INSROPを通じて整理された先住民族を含む生態系データは、自然環境データと共に、地理情報システム、GISとして取りまとめられ、今後様々な分野での活用が期待されている。