図では、幅を持った想定航路が赤線で、その中に入るデータ点が黄色の点で示されている。図中の表は、想定航路内に入る点のデータのリストである。これらのデータに対し、GISソフトが持っている機能を使って、簡単な統計処理を施すこともできる。図4.6-4は、遭遇する氷厚の頻度分布を棒グラフ化したものである。この程度の処理ならば、GISソフト内で行うことができる。また、定型の処理ならば、そのスクリプトを書いておき、必要に応じてメニューに登録することも可能である。
上記のように簡単なデータ処理はGISソフト内で可能であるが、数値予報等の複雑な計算と組み合わせるには、どうしても外部プログラムとのリンクが必要になる。GISはデータベースソフトであるからこの様な外部処理とのインターフェースも考慮されており、ダイナミックリンクの機能を存するソフトも多い。また、テキストファイル、Excelファイル、dBaseファイル等の主要なデータフォアマットのファイルを使ったデータの入出力もできるので、ダイナミックリンクでなくても、データのやり取りは可能である。図4.6-5は、この様な機能を利用して考えられるGISをデータベースとビューワとして使用した環境変動予測/評価システムの想定図である。この様に、GISは、将来のしっかりした環境影響評価システム、さらには環境調和型開発の基礎技術の一つとなる可能性を有している。