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最適運用

2〜5月出港する場合にはスエズ航路を選定したシミュレーションを紹介したが、将来的には衛星情報が豊富になるとNSRに入る前に正確な氷況予報を入手できることが将来的には期待できる。即ち、NSRとスエズの運航の切り替えを事前に予報結果からできるようになり常に最適な航路選定が可能と言う条件で、どこまで運賃が低減できるか50BCを対象に調べた。切り替えの指標は積算Ice Indexで、その値が-50,000以下の場合にはスエズ航路を選定するようにした。1980〜1989年の10年間のデータを用いた。結果を表4.4-14に示す。運賃は20.3〜21.6$/tonの範囲である。一例として1987年の結果を表4.4-15に示す。スエズ航路を1航海、NSRを9.3航海、合計10.3航海している。NSRを通る場合の平均速度は7.8〜13.7ノットである。夏場のみの運賃は約18$/tonである。一方、開水中のみを航海する通常型の5万トンDWTハンディサイズバルカーの運航コストを試算すると18.1$/tonである。従って、砕氷型バルクの夏場運賃は、ほぼ通常型のバルクキャリアーに等しく、通年運賃はやや割だかの結果となった。砕氷型バルクは、通常型のバルカーに対して十分に競争力があると言えよう。試算した通常型5万トンDWTハンディサイズバルカー諸経費内訳は巻末資料5-2に示した。

 

表4.4-14 50BCの1980〜1989年の年間運航シミュレーション結果(ASVS)

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