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40BCがスエズ航路を利用した場合の運賃は、39.6$/tonであるから、積算Ice Indexが-26,000以下の場合は、スエズ運河を通行した方が運賃は安くなると判断される。表4.4-10に1980〜1989年までの、10年間の月別の積算Ice Indexを示す。ハッチング部は積算Ice Indexが限界である-26,000より小さい月である。従って、2〜5月に横浜またはハンブルグから出港する場合は、スエズ航路を選定することが得策であると判断できる。この条件で、ASVSを40BC、50BCについて1960、1970、1980年の3カ年、適用した。結果の一例として、1980年の結果を示す(表4.4-11、表4.4-12)。航海日数については出港時の荷積みに3日、入港時の荷揚げに3日の合計6日の荷役期間を含む。

 

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図4.4-12 40BCの積算 Ice Indexと運航コストの関係

 

表4.4-10 40BCの1980〜1989年の月別積算 Ice Index

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表4.4-13に1960、1970、1980年の3カ年の結果を総括した。スエズ運河を3〜4回通過する40BCの運賃は、35.6〜36.2$/ton、50BCの場合で20.1〜20.7$/tonの範囲にある。50BCの運賃が40BCより大幅に安いのは、資本費、輸送量、開水中での速度などが40BCより優れていることが寄与している。40BCの砕氷能力は優れているが、本シミュレーションでは独自航行が不可能となると砕氷船のエスコートを直ちに何度でも受けることができると仮定している。またその費用は定額としていることから50BCが経済的に優れている結果となった。

 

 

 

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