しかしながら、NSRは高緯度海域を通過する航路であるため、一般にこれらの衛星の水平線上高度が低く、一部海域においては通信が困難となる(図4.2-10)。水平線上の衛星仰角が0度となる曲線の外側においては、衛星は水平線下に隠れ理論的には通信は不可能となる。すなわち、東経120度前後のラプテフ海西部においては、IOR、POR両衛星とも水平線下に沈んでINMARSATによる衛星通信が不可能な海域がある。なお、衛星仰角が0度以上となる海域においても、衛星アンテナとその他の構造物の位置関係によっては通信が困難となる場合があり、送・受信のために一時的に船の向きを変えるなどの工夫が必要となる場合もある。