【中山氏】ここ2〜3年は減ってきており、今年の発生はまだ1回です。その代わりアオコの発生が増えており、今年はすでに6回発生しています。赤潮が減ってアオコが増えるということは、さらに悪い状態になっているのではないかと指摘する研究者もいます。
【質問】一律に水質を基準とするよりも生態系を重視してほしいと思うのですが、そのような動きはありますか?
【中山氏】高度成長期の水質保全は、飲料水やレジャーといった人間を中心とした保全を大きな目的としましたが、現在は、琵琶湖に関わる多くの生物にとって住みやすい環境を目指すという方向になっています。
視察
Biyoセンター
説明:堀野善司氏/財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構
琵琶湖・淀川水質浄化共同実験センター主任研究員
午後、講演で紹介のあったBiyoセンターの視察を行った。Biyoセンターは、草津市の中心を流れる葉山川の右岸にあり、全体面積は5ha。平成9年8月に設置され、建設省近畿地方建設局、滋賀県、水資源開発公団関西支社が財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構と共同で運営している。葉山川などから汲み上げた水が巡回する水路の途中に各種の実験施設を設置し、琵琶湖の600分の1の縮尺の「琵琶湖池」のほか、桂川、宇治川、木津川、淀川にあたる水路をそれぞれの位置に配してある。
現地では2班に分かれ、講演者の中山氏と研究員の堀野氏に実際の実験施設の説明をしていただいたが、途中、雷雨のため、残念ながらバス内での説明となった。