(5) 「在宅ホスピスケア・訪問看護を行う看護婦に研修」が必要
今回の研究をとおして求められていることが分かった役割・能力を備えるために、以下の内容を含む研修が必要である。
−病状や症状のアセスメントと対応に関する知識・技術
−最後を迎える場の選択とそのための対処、在宅死の場合の援助
−不安など精神的サポートについて(患者・家族)
−喪失予期悲嘆などへの関わり(患者・家族)
−家族関係・家族介護力・暮らしの営み 等のための援助
−チームアプローチ・連携のあり方
今回の研究で予定していたが、研究期間中に実施できなかったことがある。それは、C「在宅ホスピスケアのための特定地域における連携システム作り」検討の取り組みである。
訪問看護を行っているがん専門病院、同一設置主体が数カ所の訪問看護ステーションを開設している組織、また緩和ケア病棟もある地域で、在宅ホスピスケアのために有効な連携システムのモデル作りを行いたいと考えている。すでにそれぞれの関係者と個別に話し合い、連携システムモデル作りに研究的に取り組むことに参加・協力したいという反応を得ている。指定研究期間後ではあるが、今年度中に「検討会」を開くよう準備中である。この二段階目の研究を継続できるよう願っている。
最後に、本研究の実施にあたり、多くの関係者のご理解とご協力を得ることができたことに、心から感謝を表したい。またこの研究を実施するためのサポートを提供して下さった笹川医学医療研究財団に深く感謝する。