「在宅ホスピスケア研究」報告
ホスピスケア研究会
はじめに
本研究は、平成11年度財団法人笹川医学医療研究財団の助成により行ったものである。
日本における「在宅ホスピスケア」は、その必要性が高まっているにもかかわらず、量・質ともにあまり広がる傾向が見られない。一方、病院の在院日数短縮化傾向が強まるなかで、在宅がん終末期患者が増加している。多くの不安を抱えた家族からホスピスケア研究会にかかってくる電話相談には、途方に暮れたがん患者や家族の気持ちが強く伝わってくる。在宅ホスピスケアに関する基準あるいは規定は、現状では何も定められていない。したがって在宅ホスピスケアとはどのような条件を備えたものを言うのか検討する必要がある。さらに在宅ホスピスケアを推進するためにどのような方策があるのか、早急に検討する必要に迫られている。このような現実的な課題に少しでも役立つ解決策を見いだすことを目的に本研究を行った。
I. 研究目的
本研究は、以下の項目を検討することを目的に行った。
1) 「在宅ホスピスケア」の現状の問題を把握する
2) 「在宅ホスピスケア」が備えるべき条件を検討する
3) 「在宅ホスピスケア」の条件を整えるための対策を検討する
4) 「在宅ホスピスケア」の組織化、連携システム作りを検討する
II. 研究方法
上記の目的に対して、主に訪問看護について検討するという方法で研究を行った。
A. 在宅ホスピスケア・訪問看護に求められている援助内容を明らかにするために以下の調査を行う。