日本財団 図書館


一つは、先程、話に出ました「NPO」 (民間非営利組織)は、95年 (平成7年)の阪神・淡路大震災でのボランティアの活動とか、日本海の重油流出事故におけるボランティアの活動だとかということが、非常に大きなきっかけとなって、急速に法律の制定にまで至ったわけです。制度の周知・定着のためには、もちろん、いろいろな経験を積み重ねることが重要である、ということはそのとおりなのですが、敢えて申せばヒットというか、ホームランというか、そういうものが必要なのではないか、ということを私としては感じた次第です。

もう一つは、今日のために少し勉強したなかで私が思ったことを、申し上げさせて頂きたいと思います。

86年(昭和61年)6月、オンブズマン制度研究会が、当時の行政管理庁に提出しております報告書の中で、「公正で民主的な行政を実現し、行政と国民との信頼関係をより一層高めるための方策として、我が国にもオンブズマン的機能の導入を図るべき」であるとしております。同研究会は、もちろん行政監察制度や行政相談委員制度を否定するのではなく、更に発展させる一種の最後の画竜点晴として、そういう制度が必要ではないかという提言をされたわけです。

同研究会の提案が、今の状況でそのまま有効かどうかは別として、やはり目に見える形で何か別の全国的な制度を作るということが、国民の注目を集めるという点からも、やはり検討に値するのではないか、という感想を私は持ったわけです。

一応、その二つぐらい、素人なりにこの制度の発展のための多少でも参考になればと、申し上げさせていただいた次第です。いずれにしても今日は6人のパネリスト及びオースティン先生から非常に内容の豊富なお話が出されましたので、全体として非常に実り多い企画になったのではないかと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION