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第9回国際VTSシンポジウム出席報告書

 

VTS2000と銘打たれた第9回国際VTSシンポジウムが、平成12年1月18日から21日までの期間、シンガポールのパンパシフィック・ホテルで開催され、嘱託 豊福滋善が出席したので概要を報告する。

 

1 はじめに

 

国際VTSシンポジウムは、4年ごとに世界各地の持ち回りで開催されており、今回はその第9回に当たる。これまでヨーロッパ、アメリカ、カナダの各地で開催されてきたが、アジアで開催されるのは今回が初めてである。シンガポールはそれを誇らしく思い、それだけに、この行事に国をあげて非常に力を入れていたということは言える。参加者は約320名であったが、そのうち60名近くが地元のシンガポールからであった。

VTS2000のテーマは「The Global Solution」であり、これは「全地球にわたっての考え方の一本化」を意味している。VTSは1948年にリバプール港に設置された港湾監視レーダーをもって嚆矢とされるが、その後の電子技術の進歩によってレーダーを始め各周辺装置の機能が向上してきたため、その用途或いは期待される役割が徐々に変貌を遂げながら、世界の各地に普及してきている。しかし、各国はそれぞれの地域の必要性に応じて独自に開発を進めてきたため、国際航海に従事する利用船舶に混乱をもたらす懸念も深まっている。そこでIMOやIALAが中心になって何とか統一化を図ろうという趨勢にあり、その思いがこのテーマに込められていると言える。

発表されたレポートは全部で30編で、

VTS開発の現状 11編

将来のVTSの展望 7編

VTS職員の採用と訓練 4編

法的及び規則的問題 3編

自動識別システム 5編

に分類され、9つのセッションに分けて発表と質疑が行われた。

なお、会議組織の設営に当たり、次の委員会が設置されて会議の運営の円滑化が図られた。

 

 

 

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