理事のGarveyのステートメントは航空利用者に向けられ、フェールセーフの確立された安全理論に基づいたものである。しかしこれはタイミングを含む全ての利用者にあてはまる。
V システムの混成:何を残すか
世界の航法システムは殆どが旧式のラインオブサイトの技術に基づいている。旧式のVOR/DMEシステムは大変信頼でき安全である。しかし航空機が送信機の見通しを越えたとき信号の減衰が大きくそのカバレージは狭くなる。これを補償するためVOR/DMEサイトは放射を狭くしている。USは約1100局のVOR/DMEを持っている。このシステムは運用に大変費用が掛かり地上および水中での利用はできない。近代的な輸送機の殆どはDME(VORではない)に頼る航法受信機を装備している。EUROCONTROLは賢明にもDMEネットワークの拡大と残存、それにVORの閉局を決めた。USはこれを見習うべきである。
悪天候下の正確なアプローチと着陸は別の問題である。ILSとMLSは運用されている地上にある唯一の正確な着陸装置であり残しておかなければならない。
慣性航法は最新の輸送機に取り付けられている。慣性は自立航法で外部からの信号に頼らないのできわめて安全性が高い。これが軍用で好まれる理由である。慣性航法は現在DMEとGPSが完全に利用できる大洋航行のためのバックアップとして使用されている。慣性航法は短距離の航空機には自立航法として利用されていない。しかし慣性航法の精度は高くなっており、価格は下がっている。
VI ロラン―C
ILA/RINの3日の会議で沢山発表されるので私は技術の詳細については触れない。しかし、私は航法の利用や安全の面については良く知っておりロランはGNSSとよく調和した完全なシステムであると結論した。ロランは盛んになるであろうしGNSS-GPSとGALILEOのパートナーとして広く利用されるであろう。
理由としては、
●ロランはGPSと同様に高精度な航法システムである。ロランの制度は、25マイル、GPSはSAのかかった状態で、15マイルである。全ての現在および将来の航空機の航法目的では十分な精度である。
●ロランやGPSはグリッドタイプの測位システムでありダイレクト ルーティングの機能がある。―RNAV
●ロラン信号は地球の表面を伝搬しGPSもまた同様に大気中を伝搬する。ロランは船舶だけでなく鉄道、自動車、レクレーショナルのユーザーにとっても有用である。VOR/DMEやDME/DMEのような旧型のラインオブサイト システムは送信局が見通し外である広い利用できない範囲が在る。