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販売価格は3,500usドルである。もし家庭でこれを作ろうとしたら部品はラジオストアーで50usドルで調達できる。GPS信号をまねたSpoofing Jammers(擬似妨害器)は受信機を機能しないようにすることが考えられる。擬似妨害器は複雑であり製作は高価であるが驚嘆すべき効果がある。1ワットの擬似妨害器は350マイルのGPSを粉砕できる。開発途上国の全ての防衛軍は極秘にGPSの妨害の方法を調査している。したがって、軍事施設や都市、軍隊を爆撃するためにはGPSを使用できない。民生用のGPS信号は現実的に利用されているにすぎない(本質的なものではない)。これは米国の慣行であるが同様にテロリストのミサイルの格好な誘導システムでもある。

 

III GNSSの主権の問題

 

GPSの開発、資金、軌道への投入、制御はUS国防省(DOD)が行っている。DODは精度の劣化や軌道の衛星の機能を停止することができる。よく知られるGPSの特別声明である大統領の決定方針(Presidental Decision Direction、PDD)ではGPSは即ち大統領のような“国家の指揮権(national command authority)に敏感”になるであろうと述べた。

ICAOの再度の要求にもかかわらず米国はGPSを自由に使用不能にする制限についてのいかなる契約も取り交わすことを拒絶した。これは悪いことではない。システムの運用は一箇所で行っていて技術的にはシンプルである。同様に全ての衛星は空に在る。米国ができないだけでなく誰でもそれを超えた維持制御は行えない。米国やNATO軍は別の点でリスクが生じるであろう。

EUはGALILEOの開発に進んでおりこれはGPSに代わるEUでコントロールされるシステムである。この理論は明白である。EUは自らのシステムを制御すること、USの行動に対して防御することを意としている。わたしはこれを理解しこの決定を完全に支持する。USおよびEU以外の150ヶ国のではジレンマにある。彼らは何かの発生源からの故意の妨害や、運用者が信号を遮断することを決めた場合のリスクが存在する。

 

IV 解法:冗長性

 

この問題の解法:減少している地上系の測位システムとタイミングシステムを残すこと。これによりGNSSが使用できない時でも航法とタイミングサービスは継続する。私の国である米国は今この考え方を再審査している。そして結論が得られた。2週間前サンディエゴにおけるATCAの会議でFAAの理事であるJane Garveyは地上をベースとする航法システムは予見できる将来まで残り、近いうちではないであろう。これはGPSの単独サービスの終わりである。

 

 

 

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