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資料2

 

欧州におけるNELSの展望

Dr―lng.Ulrich Klinge

 

北西ヨーロッパと北大西洋の新しいロラン―Cシステムの開局の交渉は1985年から1992年にかけて行われた。その結果、1992年に北西ヨーロッパの6ヶ国で国際協定が結ばれた。これがNELSの誕生である。このすばらしい成功はNELSの私の前の会長であるAndreas Stensethによってもたらされたものである。

長い間、NELSのスタートは衛星航法システムの開発の影響を受けていた。この状況は衛星システムが近代的で地上システムは時代遅れであるという人々の意見によるものであった。地上と衛星のシステムの補完し合う性質の利点はもはや検討するまでも無くGPSとGLONASSまたはGNSSの限界を除くために強力な方向性が認識された。

利用者はGPSに移行しており特にさらにDGPSサービスが整備されている。GNSSはファッションになっておりこの現象は強力な市場を伴っている。これを論じることは無意味なことであろう。

しかしながら、NELSの設立の打ち合わせは少なくとも二つの独立した位置の情報源のよく知られているそれぞれの航法援助を行っている機関により行われた。これは安全面で最適な構成あるいは基本的な機構整備だけでなく単独システムまたは複合モードの障害によって影響を受けないことを目的とするものである。したがって、結論として電波航法は将来、個別のシステムを補完しあう地上システムと衛星を基本とすべきであるという推奨の1992年のIALAによる方針に従った。

ヨーロッパにおけるロラン―Cの改良と運用の継続は複合航法の解決が得られたことにより1992年2月の欧州委員会と協議会により支援された結果である。

NELSの基盤整備の認識は大きな一区切りとして考えることができる。1999年の中期から、フランスのブレストにある新しく建設されたコントロール センターに全体のNELSシステムのフルタイム エミッション コントロールが移管された。現在の覆域を第一図に示す。

我々は最近の数年間、衛星の信号品質の劣化を受けやすいこと、遮蔽、マルチパス、完全さ、妨害および混信の限界について多くの経験を得ることができた。正確な航法利用のために単独の方式の候補となってから彼らはGPSを退けた。DGPSのサービスは国際標準に近いものになっており、IALAのビーコン システムとの協調は状況の改善の助けとなる。しかし、これは、基本的な不都合を改善する手段とはならない。

 

 

 

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