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WAASやEGNOSのような高価な増強システムとして大きな努力が払われ、更らにGPSの開発とGALILEOの導入が必要とされる。それにもかかわらず、期待される全ての目的に合うようにするには不確定なことが残っている。GPSとロラン─Cの補完し合う性質は、NELSが複合航法の回答を得た理由を明らかにしている。GPSの精度は基本的に良く、ロラン―Cは全ての目的で十分ではない。一方では、ロラン―Cは優れた有効性と安定したサービスを供給しており妨害や混信に対して強い性質があり、それに対してGPSは劣っているか、大変脆弱である。ロラン―C電波の伝搬は基本的には遮蔽やマルチパスの問題による影響は受けない。そのため、両方のシステムを別々に使用して航海情報を個別に処理するだけでなく、一つのデザインにまとめてしまう方が適当であると思われる。

よく知られているEUROFIXの技術はNELSに更なる有効な次のステップを築く機会を与えた。良好なテスト結果を基にして、NELSのステアリングコミッティーは最初に4局のEUROFIXの実施についてEUROFIX FEASIBLE PHASEのなかで開始する決定をした。Figure 2は覆域を示す。この費用はNELSの会員とEuropean Commissionが負担した。NELSは複合航法方式の機能を検証し認知させるために急いで必要とされる新しい複合型受信機(Hybrid Receiver)を製作するため製造会社に支援を行うことを引き受けた。

最初のステップが成功したら、全てのNELS局にEUROFIXの機能を装備することを希望している。そうすればヨーロッパの広範な範囲をカバーできるようになる(Figure 3)。EUROFlXの実行と近代化はNELSの更なる開発に強いインパクトを持つであろう。このビジネスに関係する他の機関はこのビジネスのパートナーになる興味を持つであろうし、また組織の見直しも予想される。ヨーロッパ全体の全てのロラン―C/チャイカ局はEUROFIXの技術で連携されることにより信号を受信できる範囲が広がることが期待できる(Figure 4)。

NELSは電波航法の将来の複合システムの主要なコンポーネントとしてその価値を認めている。しかし、少なくとも中期的には全てを満足するものでないので、衛星航法システムは全ての利用者の要求に合致するとは考えられず、地上システムの整備との複合化による機能強化が不可欠である。NELSのサービスは別々の個別な、あるいはフル バックアップ システムとしてではなく複合的な世界的な電波航法システムと見るべきである。

このようにしてシステムも利用者側でも複合化が実行される。

 

 

 

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