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3.5.5 新方式レーダーによる理論上の追尾性能向上

図3.5.5は「前回位置と今回位置で位置の相関が有る場合に原則として追尾する説明図」であるが「新方式レーダーによる航海速力が35ノットまでの一般船舶の追尾で性能向上」することを示している。

前回位置をZ(N)、前回位置Z(N)を中心とする半径rの円周上の今回位置をZ(N+1)、前回位置Z(N)から今回位置Z(N+1)に向かう矢印の長さrは前回位置Z(N)と今回位置Z(N+1)の位置差rで位置の相関が有ると判定する位置差の最大値で、アンテナ1回転後に得た今回位置Z(N+1)がこの円内の位置であれば原則として追尾することを示している。また、この半径R2の円内に船位が存在する確率はPR2(位置確率(注1)PR2)、半径R1の円内に船位が存在する確率はPR1(位置確率PR1)としている。

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図3.5.5 「前回位置と今回位置で位置の相関が有る場合に原則として追尾する説明図」及び「新方式レーダーによる航海速力が35ノットまでの一般船舶の追尾で性能向上」を示す図

現状の追尾処理で位置の相関が有ると判定する位置差の最大値(図中ではR2で示した:航海速力が35ノットの船舶における約6秒後の移動距離に相当する定数)は追尾パラメータの1つとなっている。新方式レーダーによる航海速力が35ノットまでの一般船舶における約3秒後の移動距離はRlとなり図中に示した点線の円内に船位が存在する確率はPR1となるが、実際には半径R2の円内に船位が存在する確率PR2で追尾される。従って、新方式レーダーによる航海速力が35ノットまでの一般船舶の追尾では性能向上(注2)が期待できる。

因みに、R1=1.1774でPRl=0.5に対しR2=2.3548でPR2=0.9375になる。

 

(注1)位置確率についての詳細は参考資料6参照

(注2)追尾のロストと乗り移りの関係については参考資料7参照

 

 

 

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