また、後処理キネマティックGPS測量においては、GPSによる測位データとともに、衛星数、衛星の配置状況も同時に記録した。
2.2 実験場所
実験では、以下の条件を踏まえた場所を使用した。
・撮影するモデル数を考慮して、20mの計測距離をとれる場所
・目標物から計測する実験車両までの距離を約10m程度確保することができ、車両が走行可能な場所
・車両の振動がないような、なるべく平坦な場所
・周辺に高い建物・構造物が無く、衛星を捕捉するのに障害物がない場所
・垂直方向にも目標物が設置できるような壁を持つ場所
2.3 計測対象
実験車両に搭載したスチルカメラを用いて、陸上に設置した既知の座標を持つ評定点を撮影した。また、計測範囲の両端に基準点を設け、RTK-GPSを用いて座標を計測した。撮影範囲は、横20m、幅10mの範囲とし、撮影位置のズレに対応できるものとした。カメラ位置を求めるために必要な目標物は、縦・横にそれぞれ1m間隔でバランスよく配置し、カメラ位置を求めるのに十分な精度を確保できるように配慮した。基準点には撮影の際に明確に写る目標物(基準点シール)を約140点設置し、目標物の位置座標(ローカル座標系)を、トータルステーションで測量した。実験に使用した基準点シールを図2.3.1に示す。また、基準点の配置および計測範囲を図2.3.2に示す。
(計測範囲については、本文の3.2章の図3.2.2.1を参照)