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4. 海上実験結果およびその考察

写真測量技術は、地形、構造物等の測量に活用されており、航空機から陸上を撮影して測量データを作成する技術は、一般的に「航空三角測量」と呼ばれる。また、近年のGPSの進歩およびジャイロをはじめとする動揺補正装置の進歩によって「GPS空三」と呼ばれる写真測量が行われるようなってきた。これは、GPSの測位データを用いることによって、陸上に設置した基準点の数を大幅に減らそうという試みである。一方、調査ユニットはGPSとセンサー情報のみでカメラ位置を求めようという考えであり、「船舶GPS測量」というべきものである。これら写真測量方式の概略比較表を表4.1.1に示す。

 

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[表4.1.1航空写真測量方式の比較表]

 

※)カメラ位置の計測誤差は、基準点によって修正される

三者の測量方式の違いはカメラ位置の算出方法であり、「GPS空三」は既に技術として確立されている「航空三角測量」の一部を利用して、GPSと慣性センサーを用いたカメラ位置の算出精度を高めている。よって、計測対象に基準点を用意しない調査ユニットの場合、GPSと慣性センサーを用いたカメラ位置の算出精度がどの程度のものであるかが精度を確保する上で重要な問題となる。従って、調査ユニットにおける写真計測の精度を評価する上で、通常行われている写真測量の計測精度と比較することが必要となる。

そこで、「船舶三角測量」と「船舶GPS測量」の2つの写真測量方法に基づき、次に述べる2つのデータを比較して、本システムのカメラ位置算出精度を検証した。

 

 

 

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