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ここでは、時間遅れを以下のように定義し、それぞれの時間遅れについて計測を行った。

1]シャッターの時間遅れ

トリガー信号発信からシャッターが開くまでの時間遅れ。

2]システムの時間遅れ

1PPS信号を確認してからデータ処理を行い、トリガー信号を発信してからシャッターが開くまでの時間遅れ。シャッター時間遅れとPCの内部処理に必要な時間遅れを足した値。

トリガー信号を送信してからシャッターが開くまでの時間遅れを、その間に繰り返される内部処理のループ数を用いて算出した。計測は100回以上行い、時間遅れの平均値を求めた。また、1ループの処理に要する時間は、1secにまわる内部ループ数より算出した。計測結果を表3.4.1に示す。

 

[表3.4.1:シャッターの時間遅れ計測結果]

059-1.gif

 

ここで計測した結果より時間遅れ=101msと考えられる。

また、シャッターの時間遅れだけでなく、制御用のPCの内部処理(GPSの測位データの取得・表示、ローカル座標の計算・表示)を含んだ時間遅れを計測するために、1PPSの信号を確認してからシャッターが開くまでの時間遅れを10ms単位のカウンターで計測した。制御用PCは、1PPS-Boxの信号が変化を10ms毎に監視しており、信号が変わっていたら、内部処理を行ったのちにトリガー信号を発する。実際にGPSの信号を入力しながら計測を行った結果を表3.4.2に示す。

 

[表3.4.2:システムの時間遅れ計測結果]

059-2.gif

 

ただし、ここでのカウンターは10ms単位のカウンターであるため、1ms単位の時間遅れは計測できない。従って、カウンターが10、11と平均して計測されたことから、システムの時間遅れは110ms前後であると推定できる。

また、制御用のソフトウェアのデータ処理テストからGPSの測位データの取得、表示、ローカル座標の計算という内部処理にかかる時間は少なくとも10ms以下であることが確認できている。従って、シャッター遅れ時間もあわせたシステム全体の時間遅れは、101ms+α(α<10ms:8〜9ms)→110ms前後となる。

 

 

 

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