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以下に、調査ユニットに適用可能なデジタルカメラの要求機能を述べる。

・PC側から撮影タイミング制御、絞り、シャッター速度、データ転送等の制御が可能である。

・400万画素以上の高解像度である。

・最低1枚/秒の画像データの連続撮影・転送が可能である。

・外部コントロール(トリガー信号)により2台のカメラを同期させて、時間遅れのない画像の取込が可能である。

・シャッタースピードが1/1000秒程で画像取込が可能である。

・シャッター機構は、電子シャッターの方が、通常カメラに採用されているメカシャッターに比べ、正確かつ時間遅れがないため望ましい。

上記の条件に照らし合わせて調査を行った結果、調査ユニットに適用可能な600万画素クラスのデジタルカメラはなく、工業計測用の400万画素のものが適用可能という結果になった。この工業計測用デジタルカメラは、白黒画像で400万画素を実現しており、通常のCCDカメラのように、単体では画像の記録ができない。今回のシステムに取り込むためには、シャッター機構付きレンズと画像取り込み用のボードを組み合わせることによって、初めて適用が可能となる。使用可能な画像取込用ボードとしては、画像ボードメーカー製の製品があり、データの取り込みと吐き出しが同時に可能な製品もあるため、データ転送速度等の仕様には問題がない。(15フレーム/秒の画像取込が可能)

また、画像データの保存については、一度ボードのメモリに読み出したデータを、HDに書き込む場合は、書き込み速度等の問題で1枚/秒の処理は困難である。このため、CPUのメモリを増設(500MB、1GB等)し、これに書き込むようにする。400万画素の画像(4MB)であれば、約300mのバースを計測した場合、400MBのメモリを要するため、512MB程度のメモリを搭載したPCであれば、1バースを計測した後に、HDヘデータを書き込み、次の計測に移ることが可能となる。取り込み枚数の制限をなくそうとすれば、さらに、レイド接続したHDに2台同時書き込みを行うハードウェアがあり、書き込み速度:30MB/secで対応可能である。

なお、岸壁の舗装面の画像を船上から取得しようとした場合、7m〜8mの高さから、なるべく角度を付けて、画像を写さなければならないため、正確な骨組みを持ったカメラ固定台が必要となる。この固定台の精度は、画像計測の精度に大きく関係するため、軽量、頑強な固定台を用意する必要がある。

 

4.3.5 システムのデータ制御

調査ユニットは、水中部と気中部のデータを別々のセンサーを用いて計測するため、港湾施設全体の3次元形状を得るためには、各データについて同期を取って結合する必要がある。そのため、計測システムではGPSから1sec毎に発信されるUTC(Coordinated Universal Time)を基準として用いる。

デジタルカメラの画像取込に用いるトリガー信号として、GPSの測位データ発信時に発せられる1PPS(Pulse Per Second)信号を用いる。この1PPS信号はUTCと同期しており、1PPS信号の後に○○時○○分○○秒のGPS測位データが発信される。

 

 

 

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