システムに組み込むデジタルカメラについては、実際に実機システムヘの組み込み、適用検討を行った後に、仕様としてまとめることとする。
(3)GPSデータの取得方法
GPSの測位データとしてRTK・GPSのリアルタイムの測位データとともに、後処理を基本とした測位データを同時に記録すれば、最大20Hzの測位データを取得することが可能となる。さらに、RTK-GPS基地局との通信が電波状態によって品質が劣化する場合においても、後処理用のデータを記録しておくことにより、バックアップが可能となる。
また、良好なGPSデータを得るためには、計測時の衛星数やPDOPに配慮して、好条件下で計測を行うことが重要である。
(4)正確な時間遅れの把握(システムのキャリブレーション)
計測精度の誤差の要因となるカメラのシャッター時間遅れ、システムに発生するデータの時間遅れ等を事前に確認し、データ解析に問題がないようにしておくことが必要である。また、カメラとソナーヘッドの位置の算出に必要な、各計測機器の設置位置を明らかにしておく必要がある。このためには、取り付け金具の製作精度を高め、位置関係を計測するための写真測量を容易かつ確実に行えるように、金具の既知点に反射式のターゲットを用意するなどの改善が考えられる。
(5)その他の運用
構成機器の、熱、雨等による動作環境を考慮した設置方法を確認するとともに、動作環境下における特性を事前に把握し、補正できるシステムとすることが必要である。計測にあたっては、その時の海象や天候などによって、シャッター速度、絞り、岸壁との距離、航行速度等の要素から、適切な組み合わせを選択することが必要となる。良好な画像の取得のためには撮影環境が重要であるため、岸壁垂直面への照明等も準備するとともに、明るさ、船の速度等の条件を組み合わせて、専門技術者以外でも計測条件を簡単に設定できるようなインターフェースを用意することが必要である。