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付録F. スロロールタンク解析法

 

F1. 概要

スロ・ロール(SLO-ROL)タンクを装備した浮体の運動解析法を2次元問題について示す。流体力計算法は特異点分布法を用い、文献1)を参考にして浮体動揺解析法にSLO-ROLタンクの解析機能を付加する。

 

F2. 解析の基本モデル及び座標系

座標系及び基本モデルを図F1に示す。

 

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図F1. SLO-ROLタンクを装備した浮体

 

流体は非粘性、非圧縮の理想流体とし、非回転流れを仮定する。浮体運動および入射波は微小振幅の周期運動をするものとし、すべて線形化して扱うことができるものとする。これにより、線形ポテンシャル理論を用いて流体力を求めることができる。

SLO-ROLタンクは浮体喫水下に張り出した両舷のタンク、これらを結ぶ空気ダクト、空気流を制御するオリフィスから構成されており、圧縮空気でタンク内の水面が押し下げられた状態になっている。

タンク内の水柱は水柱を剛体とみなしてその底部に作用する圧力の積分値を流体力とする等価浮体法を用いる。動揺は浮体とタンク内水柱を一体とした全体浮体の動揺と、浮体とに対して相対的動揺をする水柱の動揺として、運動を記述する。

 

F3. 計算式の定式化

全体浮体の2次元の運動モード(Sway、Heave、Rollの3自由度)に、タンク水の運動モード(対称上下揺、反対称上下揺の2自由度)が加わり、合計5自由度の運動を考えることとなる。

 

 

 

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