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E2. 選択した動揺制御機構とその原理

E2.1 水線幅変更型

矩形の浮体構造物のデッキ面は、浮体構造物の利用上の面積を確保し、底版部にフィンを張り出した構造である(図E2.1)。

 

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図E2.1 水線幅変更型浮体構造物の断面例

 

海面上に係留されたこのタイプの浮体が波浪を受けて動揺すると、フィンの作用によって浮体の付加質量及び減衰力が増大する。これによって減衰作用が増大して横揺れ(Roll)が効果的に抑制される。また、付加質量の増大と水線幅を狭めることによる復原力低減との効果が相まって浮体の固有周期が長周期化し、内海に多く存在する3〜5秒の波に対して波周期との同調現象を回避できる効果がある。すなわち、本タイプの効果をまとめると下表のとおりとなる。

 

表E2.1 水線幅変更型の作用と動揺制御効果

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なお、このタイプでは、底版部のフィンの上下面に作用する変動水圧がほぼ同一となってキャンセルされるため、ROLL強制モーメントが小さくなる効果がある。

 

 

 

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